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成人した子どもと同居しているシニアの場合
今日はちょっと重いテーマになるかもしれませんが、成人した子どもとシニアの親の同居ということについて考えてみたいと思います。
親子それぞれの立場でお読みいただき、考えを深めていただくご参考になれば幸いです。
パラサイトシングルとは?
成人した子どもが結婚しようとせずに、実家で親と同居を続けているケースを世間ではパラサイトシングルなどと揶揄する向きもあるようです。パラサイト=寄生という語感は厳し過ぎるようにも思いますが、子孫を残すという生物の法則からかけ離れていることには間違いないでしょう。
一般家庭におけるパラサイトシングルの存在意義は?
両親が夫婦円満で、現役で働いていたり、年金受給額が十分であったり、家に十分な広さがあったりする場合は、親自身もそのことを歓迎する傾向もあるようです。
親が元気なうちは、子の衣食住のうち主に「食」と「住」については同居によりスケールメリットを生かし、子の可処分所得を増やしてあげられるかわりに、親が年老いて介護が必要な身になった場合は子どもに面倒を見てもらえるというわけですね。
再婚したいシニアの場合は?
「年を取ったら他人よりは我が子の世話になりたい」「施設に入るよりは自宅で最期まで暮らしたい」と望む人が多いようです。
親子がもともと離れて暮らしている場合、いざ親が実際に介護の必要な状態になったからといって、子どもが急に遠くから実家に戻ってきて介護を始めるというのは現実的ではありませんから、初めから同居を選ぶ方が確かにいざというときに慌てずに済むかもしれません。
ことに、シングルのシニアの場合は「自分が動けなくなったとき」への不安が強いことでしょう。
親子の愛と男女の愛の違い
「親は子を助け、子は親を思いやる」「親は未婚の子を優しく包み、子はシングルとなった親をそばで見守る」、このように言えば美しく響くかもしれません。
しかし、親も子も果たして本当にその状態に満足しているのでしょうか?
「親子の愛は無償の愛」ともいいます。確かにそれは尊い愛情でしょう。
それに反して男女の愛はエロスが基盤になっていて、エロスは格下のように考えられがちですが、本当にそうでしょうか?
異性が互いに惹かれ合い、求め合うことからすべての生の営みは始まり、数々の芸術も生まれ得ます。
愛がなくなればたちまち他人と化してしまう緊張感を常にはらんだ愛であるからこそ、人は恋愛によって成長するのではないでしょうか?
「親思いなのねえ」「お子さんがかわいいのねえ」とほめられて、居心地のよいそのポジションに安住してしまっては、それ以上の人間的成長は望めません。
「共依存」は互いの可能性や成長を阻む
とはいっても、親子が互いにその状態に満足しているのなら他人がとやかくいうことではありません。
この文章を読んで気を悪くされた方がいらっしゃいましたら謹んでおわびいたします。
ただ、筆者が危惧するのは親子が「共依存」の関係に陥り、定着することによって、親子ともにまわりの空気が停滞してしまうことです。
親子がそれぞれにパートナーを見つければ、人間関係は2倍、3倍、あるいは4倍の広がりを見せるでしょう。
3倍、4倍というのは、それぞれのパートナーにも当然親や子もいるからです。
それをわずらわしいと思うのか、人生の新たな展開と明るく積極的に受け入れるのかで考え方は変わってくると思います。
もしも親か子のどちらかにパートナーが見つかった場合、少なくともそのときはいつでも祝福できる親子でだけはありたいものですね。