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死別の方と離別の方との間にある深い溝をどうするべきか
熟年再婚を目指して婚活をされてきた方の中には、このことに気づかれた経験のある方もいらっしゃることでしょう。
それは何となく存在する、「死別」の方が「離別」よりも格上だとお互いに思っているようなフシであったりしませんか?
「死別」の方が「離別」よりも格上?
筆者も属する「離別組」から見ると「死別組」は別れたくて別れたわけではなく、いずれか一方に結婚生活を続ける上での重大な過ちなどがあったわけでもないので、自分たちよりも人間のデキがよいような気がします。そして、別れたくて別れたわけではないのだから、相手はいつまでも亡くなったパートナーへの未練があるのではないか、などと想像したりもします。お仏壇があり、家の中に遺影があるということにも慣れていかなければいけないのかもしれません。
かたや「死別組」から見れば「離別組」は、一方の死によって引き裂かれたわけでもないのに自ら結婚の誓いを破った「落ちこぼれ」と映っているのかもしれません。別れた相手に重大な落ち度があったのならあったで、「そんな相手を選んだのはあなたでしょう」と言われれば、「離別組」としては返す言葉もありません。
「亡くなった人」の話題にどうリアクションするべきか?
筆者の知っているある女性は、何度目かのデートで男性の自宅に招かれてテーブルについたとたん写真立てを手渡されて「これ、僕の奥さん」と言われたのだとか。どうリアクションすればよいか困惑したと話してくれました。無難に「きれいな方ですね」とでもほめればよかったのか? でも、色あせた昔の写真で不鮮明だし、帽子とサングラス姿で面立ちもよくわからなかったのにそう言うのも何か不自然な感じがして、結局気の利いたセリフの一つも言えなかったそうです。どういうリアクションを期待してのその男性の行動だったのかは謎です。
筆者なら、亡くなった人の思い出をいつまでも引きずっている相手よりは、「自分も若くて人を見る目がなかったし、自分にも至らない点もあったのだろうけれども、それにしてもとんでもないのに当たってしまったものだ」と豪快に笑い飛ばすような相手の方がつき合いやすいかなとは思います。
でも、それは筆者の個人的な考えですし、死別の方との間にインスピレーションを感じてしまったら、離別の相手にはないいろいろな苦労があることは十分認識の上で、おつき合いを深めていく必要があるということだけはお伝えしておきたいと思います。
「亡くなった人」の存在そのものについてどういうスタンスを取るべきか?
筆者は若くして母を亡くしましたので、「亡くなってしまったことによって永遠に美化され続ける相手には誰しも絶対に勝てない部分がある」ということは誰よりもよくわかっているつもりです。そのことを十分頭に置いた上で、「絶対に勝てない部分は無理に突つこうとせず」「生きている人間にしかできないこと(=これからの楽しい時間の共有であったり、一方通行ではない生き生きとした会話のキャッチボールであったり)」で存在感を示し、徐々に相手の心の奥深くまで浸透していくしか方法はないのかなと思ったりもします。
亡くなった人に焼きもちを焼くなんてばかげているという男性は多くいますが、仕事にだって、相手の趣味にだって、相手の飼い犬にだって、何にだって焼きもちを焼くのが女性というものです。亡くなった人だけを聖域として例外扱いすることも難しいのではないでしょうか。
死別組の人は「亡くなった人のことを話し過ぎない」、離別組の人は「亡くなった人のことにふれられてもいちいち動揺しない」ということに意識して注意するだけでも、お互いにつき合っていて楽しいかどうかは違ってくると思います。相性の良さで、二人のそんな境遇の違いを乗り越えられるように祈っています。